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2つの荒城の月

荒城の月といえば瀧錬太郎作曲で日本を代表する名曲ですね。
この荒城の月をユーチューブで探してみるといろんな方々が歌い、また演奏している。

大分県の人はご存知の方は多いと思うが、現在一般に歌われている荒城の月は山田耕作が編曲したものだ。ピアノ伴奏が付き、変調もしているし、一部メロディーも改作されている。
これは長い間に国民に愛され変化したものだから致し方ない部分もある。
しかし、問題は、あの♯の箇所だ。
原曲では、花の宴の「え」の部分が半音高いのだ。廉太郎のスコアにはシャープが付いているのに、山田はそれを取ってしまった。

竹田市で毎年行われる滝廉太郎声楽コンクールでは必ずこの部分に♯を付ける。皆、暗黙の了解の下、山田の編曲部分を元に戻して歌っている。

ユーチューブで正しい荒城の月は無いものか、長年、廉太郎声楽コンクールから排出された多くの声楽家がいる中でまともに歌っている声楽家はいないものか。

最初に見つけたのはドイツのロックミュージシャンのスコルピオンズ。これもなかなかいい。この曲で結構乗れるというのはすごい。これも、この♯があるからヨーロッパに受けるのかもしれない。

そしてようやく見つけ出した。
鮫島有美子。この方もドイツに在住しているからというのもあるのだろうか。正しい荒城の月を歌われている。
こちらのほうが哀愁を帯びているし、大人っぽいし、流れが自然だし、品があるし。
たった1音の違いなのだが、この違いは決定的で、この曲のほとんど心臓部分になっている。
(米良美一のはこちら。本当は男声の方がいいのだが・・・)

竹田市が孤軍奮闘で瀧の世界的な遺産である名曲を復活し、守ろうとしているのだ。私も賛成だ。

聞き比べて皆さんも考えてみて欲しい。こればっかりは好き嫌いがあるし耳に馴染み深いほうが好きだという人もいるだろう。多いだろう。別にいいじゃないかという人もいるだろう。
しかし、この2つは全く違うものだ。♯をつけて歌うのとつけずに歌うのでは、この曲に対する解釈も微妙に変わってくる。

現在、竹田市で行われる瀧廉太郎コンクールでは、この鮫島さんと同じピアノ伴奏で行われる。何の不思議もなく。当たり前のように。

演じる側も聞き入る側も瀧錬太郎に敬意を表してこの半音上げる「荒城の月」を堪能しているのだ。
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by worsyu | 2011-11-22 01:47 | ひまネタ | Comments(0)
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