マッサンが提起した民族差別問題

「マッサン」での堀内敬子演じる美紀さんの描き方には問題があった。
どうしても、このエピソードを入れたいという作者の意図はわからないでもないが、中途半端に終わっている。
あの場で美紀は反省し、民族差別の醜さに気付き、謝るという設定を持ってきたが、それはおかしい。
彼女に反省の場面を与えることで、救済しようとしているが、それはごまかしているだけだ。
あの頃は、まだ、戦局もまだ維持できたいたかもしれないが、欧米人に対する風当たりはひどいものがあった。
ドラマの中でも、石を投げられる、侮蔑した言葉を投げつけられることが婉曲に表現されたいるが、もっとひどいことがされていた。

美紀を欧米人を怨む鬼女として描くことで、本当の民族主義の恐ろしさを描くことができるところを、涙を流させて終わらせている。
人間の本当の恐ろしさ、愚かさを描いていない。
(しかしながら、日本は外国人の財産を没収したり、アメリカが行ったような隔離政策をしたわけではない。これは重要なことだ。国内と国外では違った対応をしているわけだが・・・終戦前の爆撃が行われ始め、市民を巻き込んだ形になると、対応は変わってくるのだが・・・そういう意味では、大分の竹田市で起きた米兵の治療行為は、まさに奇跡そのものである。加藤医師の先見性と人間性、及び竹田の人たちのヒューマニズムと気品にはただただ脱帽である。何度でも機会があれば褒め称えたい!)

「堀悌吉」でもちょっと触れたが、彼は反戦主義の海軍提督である。彼を含む海軍の良識派は実際にあったわけで、軍国主義に凝り固まった陸軍とは分けて考えるべきで、今回のドラマで、海軍がエリーを救うというエピソードはおかしいわけではない。
朝ドラという制約の中で、この問題に触れたことだけでも評価できると思う。多くの日本人はエリーの人間性の優しさと気高さと考えに共感しただろう。
ただ、それを美紀の口から説明っぽく語らせる必要もないわけで、しかも、美紀が語ることに違和感を感じる。

武谷ピニロピの半生の方がもっと多くの日本人に知られることになれば・・・と思ってしまう。
彼女の生き方になぞって思いをめぐらすことが、本当の日本を知ることになる。
ドラマ化が難しいのは、夫の物理学者-武谷三男の方に問題があるからだろう。反原発の物理学者として描くことのむずかしさが伴うからだ。
ジブリでアニメ化してくれたらなあ~・・・・・短編でいいから・・・
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by worsyu | 2015-02-23 12:36 | ひまネタ | Comments(0)
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