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宿沢広朗の哲学

この文武両道をやった人がこのラグビー界に実際にいた。宿沢広朗(しゅくざわひろあき)である。

埼玉県立熊谷高校を経て早稲田大学へ。彼の場合は、スポーツ特待で行ったわけではない。当時は、東大紛争で入試が実施されず、早稲田に流れたケースである。当初、ラグビー部に入るつもりは無かったが、入った途端、その頭角を現す。小さい身体ながら、俊敏な動きと冷静で的確な判断力、試合を読む力に優れていた。1年生からレギュラーを取り、大学選手権優勝、そして、社会人を2年連続で破るという早稲田黄金期の中心選手として活躍した。

大学卒業後、住友銀行に就職。7年半ロンドン支店に配属。その間にイギリスの本場のラグビーをつぶさに研究した。

彼の銀行マンとしての仕事は為替ディーリングである。一日に数億円~数十億円を切った張ったとやる仕事である。

彼は、銀行マンとして、出世する。

その一方で、日本ラグビーの監督としても彼は実績を残す。ラグビーワールドカップで初勝利を上げる。そして、テストマッチでスコットランドを破るという快挙を成し遂げる。
彼を評価する多くのラグビーファンがいる一方で、協会批判からくる組織からのしめつけで排除しようとする動きもあった。

彼の人生は短かった。2006年6月17日。登山中に心筋梗塞に見舞われ死去。55歳の若さだった。

彼の残した言葉に何度も頷き考えさせられる。彼は優れた勝負師であり、戦略家であった。

日本のラグビー界にとっては、アイドルであり、スターであり、カリスマであった。そして、神となった人である。

1)「ユーモアの大切さ。偉そうなことを言うよりも組織を動かすためには、ユーモアを共有することの方が重要な時がある。」
2)「ディーラーにとっては、果敢かつ冷静なことが重要。しかし、もともと弱気な人間が強気になることは難しい。」
3)「ストレスは負けてしまうから起きる。勝つためには綿密に考え、情報を集め、戦略を伝達して実行させる必要がある。」
4)「決断の正しさを求められるのは当然のこと。要は正しい決断をいかに速く行動に移せるかなのだ。」
5)「同じことをやっているのでは本当の戦略とは言えない。他人と違うオリジナルのアイデアを大胆に実行するのが戦略なのだ。」

最後に、これが彼の格言として残っている。

「努力は運を支配する。勝つ事のみ善である。」
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by worsyu | 2015-04-06 17:52 | 地域ネタ | Comments(0)
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