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SEALDsに思う

SEALDsについて。
あのコールは面白い。4ビートか2ビート。そして3ビートを時々入れる。ヒップホップ系のリズムを利用するのは面白い。CD出したら結構売れるかも・・・・耳に付く・・・・ビートに乗っかる日本語が新鮮。これは世界に通用する。

自然発生的な未熟性が魅力なのかもしれない。しかし、既存のものに頼らないため、脆弱である。吹けば飛びそうな危うさがまた魅力なのだろう。とにかく敷居が低い。デモというものをしてみたい人にとっては、嬉しいアトラクションだ。楽しそうである。このムーブメントを戦略的にコントロールできたらすごいね。

若さゆえの甘えが許される。しかし、政治は現実だ。実際にこの国を動かしているのは官僚である。その官僚と国民の間にいるのが政治家なのだ。いらないと言えばいらない。だから、日本の政治は官僚にべったりだ。方向転換ができない。際まで行かないと自発的に変革はできない国なのである。
なぜか?総括できない国だからである。70年代の学生運動の時に吹き荒れた「総括」という言葉は、当時の日本の若者にとっては、死ぬことでしか解決できなかった。日本経済の実態はまだ貧しかったけど、経済成長の希望が見えていた。生活の向上が実感できていた時代だからである。

しかし、今は違う。生活はあの頃よりも豊かになった。しかし、将来の不安は増すばかり。希望はない。「総括」しようとしたら、国を壊すことに向かうだろう。
だから、坂本龍一氏が言うように「フランス革命にも似た」意識の高揚を見ると言うのもうなずける。
ただし、フランス革命を見ていくとわかるが、あのルイ16世は、本来、勉強家で進歩的であり、人民に対しても寛容であり、人気もあった。しかし、フランス経済が財政的に逼迫したことで、全ての不満が貴族階級に集中し、その象徴としてのルイ16世であり、マリー・アントワネットなのである。
そして、フランス革命が起きたきっかけは、「パンをよこせ」と若い主婦たちがヴェルサイユに押しかけたことに始まる。日本はまだそこまで行っていない。

「戦争法案反対」ということについて言えば、結局、自衛隊そのものが違憲なのであって、それを十分承知の上で、アメリカとの関係のバランスにおいて、行われているのが日本の政治なのである。これは事実です。まぎれもない事実です。

だから、本当にこの問題を解決するには、自民党の言うように憲法を変えて、アメリカが推し進める自由という名の覇権に組み込まれるか、それとも、敢えてそこからは一歩引いて、平和憲法遵守の立場から自主独立路線で行くかの選択しかないのだ。

そして、その産毛の生えた未熟なSEALDsに平和憲法遵守の立場から自主独立へという道筋が垣間見える。

本当にそんなことができるのか?という疑念と、本当にみんなが(日本人だけじゃなく、世界中の人々が)賛意を示すのならば、それができるかも、という可能性を見る思いもする。

自民党がどうのこうのというよりも、日本の官僚-若き官僚たちがこの運動をどう見ているのかの方が重要である。日本のエリートたちの選民意識はそれほど高いとは思えない。庶民の民度の高さに比べて、エリートたちのエリートとしての意識は低いと思う。だからおもねるのだ。
日本の若き官僚たちもこのSEALDsの動きについて、心を動かされている人が出ているだろう。
SEALDsが上手いのは、文系ではなく、理系でもなく、アート、デザイン、音楽の力で計算された感覚に訴える方法で支持を集めている点にある。これは、同調する。否定できない。
「なんかSEALDsいいよね」って感じが広がることで、彼らは支持はされないが、共感が生まれるだろう。

しかし、現実の政治に彼らの思いを実現させる段になると、分裂が始まるだろう。結果についての責任が生まれる。自己保身が始まると内部対立が起きる。政治とは結局権力闘争なのだ。
ロベス・ピエールやダントンのような政治家が出てくるかもしれない・・・・強い権力を用いないと変わらない。でも、それは民主主義ではなく独裁政治なのだ。

まあ、先のことよりも少し先のことを考えた方が面白いか・・・・・
フランス革命は、面白いよ。今度、わかりやすくまとめて紹介してみたいと思っている。
by worsyu | 2015-09-11 11:51 | 時事ネタ
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