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ムハンマド?

デンマークの新聞に掲載された漫画で、爆弾のついたターバンを巻いた預言者ムハンマドを風刺したことが問題になり、イスラム教圏で暴動が起きる騒ぎになっている。
これは、今の日本では理解できない面が多い。なにせ日本は漫画大国であるし、宗教に対する考え方も大らかで無節操だからだ。
強いて言えば、戦争中の天皇みたいなものに近いかも知れない。しかし、それにしても絶対的なものではなく、批判する人は当然いたわけで、インテリ層は冷めていたと思われる。
それでは、中国などのように民度が低いのかというと、そういうわけでもないようだ。確かに言論や表現の自由はなく、人間性を高く評価する西欧社会とは大きく異なる。
日本は、西欧以上にある面、人間性を高く評価している面がある。それは西欧がギリシャ、ローマ時代の大らかな神からキリスト教(ユダヤ)を受け入れ、宗旨変えをしたのに対し、日本は八百万(やおよろず)の神と仏教をそれぞれに役割分担させ、社会に残すということをしたことにある。二重社会の構造であるからだ。西欧に限らず世界中の国では、放埓な人間性を節度ある理性で制御するという行為を宗教が果たすという関係になっている。
それでは日本では、宗教とは何になるのだろう。生活の中で精神の安寧を得るために宗教が役割を果たしているかというとそうはなっていない。特に都会に住む人々にとって経済活動を進める上で宗教的な制約はほとんどないといっていい。時々、日本にも宗教ブームが来る。しかし、大きなムーブメントにはならない。混乱の時代になっても日本人は宗教に逃げることはしなかった民族なのだ。
多くの貧しい人々は、戦っているのだ。世界の中で貧民がいるかぎり争いは終わらないし、宗教は力を持ちつづける。
21世紀は文化の衝突であるとハンチントンは言うが、実際は宗教になるのだ。その中でも日本はめずらしい存在であることだけは確かなことだろう。
ますます日本は世界にとって重要な国になるべきなっていく。
「風の谷のナウシカ」を産んだ日本漫画と日本人は決して世界の貧民を見捨てないだろう。
by worsyu | 2006-02-10 12:43 | 時事ネタ
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