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負け組の歌

9月23日、吉田拓郎とかぐや姫がつま恋でコンサートを開いた。1975年以来31年ぶりということになる。NHKでその模様を拓郎中心にやっていた。最後の曲は「今日まで、そして明日から」。この曲には思い出がある。初めて聞いて心に残った曲だからだ。NHK広島放送局は、当時まだ無名だった新人の拓郎を紹介するドキュメント番組を制作した。そのタイトルが、この「今日まで、そして明日から」だったはず。そして再びNHKは同名タイトルで吉田拓郎を描いた。
この曲は拓郎が24歳の時に作った曲である。最初に断っておくが、私は拓郎のファンでも何でもない。どちらかというと嫌いな方だ。しかし、この曲だけは好きで頭から離れない。インパクトが強烈だったからだろう。今聞くと人生半ばにしてこれから第2の人生を迎えようとしてるおじさん、おばさんに贈るエールのようにも聞えるが、実際はそうではない。
1974年あたりの時代といえば、石油ショックによる狂乱物価と田中角栄総理の逮捕に代表されるように、政治、経済の混乱期だ。高度経済成長を終え、この後に続く未来図が描けない混沌とした世に、厭世観が若者に蔓延し、このような曲が生まれたわけだ。それは、暗い世相を現した裏の面にしか過ぎない。当時の若者特有の甘えの歌、「負け組」の歌だ。でも、それは「勝ち組」になる人間も感情的に共有できた不思議な時代。フォークブームが起きたのは、そんな時代の過渡期に湧き上がってきた不思議なモニュメント。日本人が感情を共有できた最後の時代だったのかも知れない。
今、笑って歌える「負け組」の歌はない。
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by worsyu | 2006-10-24 02:00 | ひまネタ | Comments(0)
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