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夢を見る力

テレ朝の「北の零年」を見た。何の知識もないまま、あまり期待していなかったが、結構面白かった。感想は、悪くない。結構、丁寧に作っている。好感が持てる。吉永小百合は御年61歳(1945年生まれだから)。無理があるかとも思えたが、最後の方は、吉永で良かったのかも、と思えてきた。他にできる奴がいるのか。渡辺の相手ができる奴がいるのか。
後で原作は船山馨と知る。NHK金曜時代劇で2001年に放送された「お登勢」がベースになっているようだ。しかも、監督は行定勲。「世界の中心で愛をさけぶ」で一躍有名に。彼の映像に対する感性に、日本人的な繊細さ、美しさを感じる。音楽は大島ミチル。これじゃあ、変なものはできない。どんなに役者が大根でもそれなりのものはできるわ。

明治維新後、淡路から北海道の未開の大地へ移住させられた人々の話だ。これには淡路の特殊な事情がベースにある。徳島藩と洲本との間には蜂須賀家と稲田家との特殊な関係があり、2重権力構造がその元となる。隠然たる反目がお互いにあったらしい。
新政府はこれまでの武士を士族と卒族(足軽と同等の身分)に分ける。それが元で分藩運動が起き、「庚午事変(こうごじへん)」と呼ばれる騒動が起きてしまう。徳島藩の首謀者らには厳刑が処せられたが、ほとんど無抵抗だったとされる稲田家の人々も、北海道への移住を命ぜられる。
厳しい北の自然、そして、信用していた人間の裏切り等、何度も打ちひしがれながらも、彼らは、開拓者精神で乗り越えていく。

脚本家の那須真知子が書き、言いたかったこと。
愛する夫も馬も去った後、耕地に立ち、吉永がつぶやく。
「夢を見る力があるかぎり、すべて失ってもきっと何かが起きる、きっと何かができる」
開拓者精神-フロンティア-風とともに去りぬ-か?
この言葉で生きていける人はすごいし、実際に生きている人はすばらしい。

翻ってトリニータサポもそうではないか。周りから見れば笑われることかもしれない。しかし、夢がある。見る力もある。あきらめない限り何かが起きる。私たちの力でも何かができるはずだ。われわれはフロンティアなのだから。誇りを持って進もう。
by worsyu | 2006-12-25 13:32 | ひまネタ
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